タカギ-JA1031TA9N10:水道の蛇口の根元から水が漏れてきたため、部品を交換しました

蛇口の水漏れ修理前・アイキャッチ画像

10数年も同じ家で暮らしていると、不意に「経年劣化」の洗礼を受けることがあります。今回の対象は水道の蛇口で、取り付け部分から水がじわじわと漏れてきたため、問題の部品を交換しました。

不良箇所の確認

ひとまず、どのあたりから水が漏れているのか見当をつけます。
染み出しているのは蛇口の根本の部分なので、念のため蛇口の下(洗面台の内部)を確認してみたところ、漏れもシミもなくキレイなものでした。どうやら蛇口の根元よりも上が問題のようです。
DIYで修理する方法を解説したサイトもありますし、自分でできそうな予感です。

根元から水が漏れている蛇口
蛇口の型番表示

同じような例を調べた結果、問題の箇所は「セラミックバルブ」と予想しました。セラミックバルブは蛇口の開閉やお湯の熱さを調節する、蛇口の心臓部の部品です。

早速、品番(TAKAGI-JA1031TA9N10)で検索して探してみましたが、同品番のセラミックバルブ単体での売り物を見つけることができなかったため、メーカーへ問い合わせしたところ下記の回答を得ました。

【部品を送る場合】
・バルブ周辺の部品もセットで6,300円(税別・送料別)
・個人での修理は推奨しません、とのこと
・保証は無し。ただしDIYに失敗して修理依頼するのはOK。

【出張修理の場合】
・工賃込みで16,000円(一年保証付き)

僕がネットで見つけた情報では、メーカーからセラミックバルブだけを3,000円程度で購入できていた時期もあるようですが、今は違うようです・・・。それでも1万円の差は大きいので、自分でやることにします。

部品交換の解説

届いた部品はこちら、「蛇口上部のセット」です。青い部品がセラミックバルブ。説明書の手順通りに作業すれば、すんなりできそうです。

蛇口の部品の段ボールの中身
届いた蛇口の部品一式

作業の前に止水栓を止める

洗面台下の止水栓

洗面台の下に水とお湯の蛇口があるので、時計回りに回して締めます。その後、水道の蛇口を開けても水が出ないことを確認します。

レバーと化粧リングを外す

蛇口のキャップ、レバー、化粧リング

キャップを外し、キャップ内部のネジを+ドライバーで回して外すと、上方向にレバーを外せます。そして、化粧リングを半時計回しに回して外します。

バルブ固定ナットを外す【工具必要】

バルブのナット部分拡大

DIYで部品交換する場合、最初につまづくとしたらここでしょう。バルブ固定ナットを外す際に、42mm以上開くモンキーレンチが必要です。

うちにはそんなに開くモンキーレンチはございません・・・。僕はモンキーレンチよりも「バイスプライヤー(別名:ロッキングプライヤー)」のほうが好みで、ちょうど挟める大きさだったのでそれを使います。
「バイスプライヤー」は、挟むと強い圧力で固定され、手を放してもそのままなのでたいそう便利です。発明した人、天才!

バイスプライヤーの拡大画像
バイスプライヤーが挟んだ画像

サイズはギリギリですがガッチリと挟んでいます。まるで大きな獲物に食いついて離れないサカナのようです。子供の頃、クワガタのメスに指を挟まれた記憶が蘇ります・・・。

セラミックバルブを外す【工具必要】

セラミックバルブもバイスプライヤーで挟んで外す

バルブ固定ナットを外すと、ついにお目当ての物体が現れます。
「セラミックバルブは外すのが大変」という記事も多く、ゴムが固着していて外れにくいこともあるようです。

ここも僕はバイスプライヤーの力を借りて難なく引き抜きましたが、この方法はセラミックバルブを強く挟むため、割れる恐れがあります。「捨てる部品だからどうでもいい」という割り切りが必要です。

汚れを取り除き、交換後の部品を仮置きする【シールテープ必要】

おそらく水漏れの原因はこのあたりでは・・・。説明書にも「掃除するように」と注意書きがありますが、Oリングの“カス”がこびりついていたら外します。周辺もできるかぎり掃除します。

蛇口の中。Oリングが残っている
掃除前
蛇口の中。掃除後の写真
掃除後

新しいセラミックバルブを仮置きし、しっかりハマることを確認できたら接合部にシールテープを巻きます。説明書には“2周巻き付ける”と書いてあります。

セラミックバルブを仮置きする
セラミックバルブをシールテープで固定する
シールテープの画像

「シールテープ」・・・聞きなじみのない言葉かもしれませんが、100均やホームセンターに水廻り商品と並んで売っています。水漏れ予防以外にも、ネジの緩み止めなど意外と役に立つ機会があり、うちでは重宝しています。

残りの部品の取り付け【工具必要】

ここまできたらあとはラク、と思いたいところですが、今回セットで届いたものは以前のそれとは構造が微妙に違うため、最後まで気を抜けません・・・。

説明書通りにリングワッシャーをはめて、新しい「バルブ固定ナット」を準備。元の部品とは違い、金色と銀色の部品がねじ状に固定され、一体化しています。

新しい部品:シールリング取り付け
ゴールドとシルバーの一体化したバルブ固定ナット
バルブ固定ナット取り付け

バルブ固定ナットの金色と銀色のパーツにゆるみがないことを確認後、蛇口の上から被せて銀色→金色の順に、時計回しに固定します。

説明書によると、

銀色:42mm以上開くレンチで固定
金色:トルクレンチで10.5N/m2の力で固定

とのことですが、うちにはトルクレンチが無いため、

銀色:手で思いっきり回して固定
金色:バイスプライヤーを使ってかなり強めに固定

にしました。きっと自分の感覚でやるのはNGですが、業者さんに頼まず自分でやるのは安く済むかわりにリスクを背負うのです。工具を揃えたら余計にお金がかかりますし、僕の直感が「ここは適当でいい」と判断しました(苦笑)。

新しいバルブ固定ナットをプライヤーで固定
バルブ固定ナット設置完了
バルブ固定ナットのカバー

バイスプライヤーで挟んで締めた箇所はキズだらけになりますが、カバーをかければ全部隠れます(^-^;

取手をつけて完成!【2.5mm六角レンチ必要】

あと一息です。ピカピカの取手は気分がいいですが、これも構造が変わり「+のネジ」から「イモネジ」になっています。2.5mmの六角レンチは付属していませんので、用意する必要があります。

新しい取手の裏側。六角レンチが必要。
蛇口の修理完了の画像。

蛇口に被せてネジを絞め、最後にプラスチックの赤・青のカバーをはめて完成!
止水栓をあけてチェックして完了です。ここまで写真を撮りながらの作業で約40分でした。交換後は水漏れもなく、正常に使えています。
[2021年6月追記:約半年経過しましたが、問題ありません]

交換に必要な工具まとめ

今回の作業で使用した工具をあらためてまとめておきます。バイスプライヤーはモンキーレンチの代用として使用しましたが、これらの工具を揃えてから交換しましょう。

42mm以上開くモンキーレンチもしくはバイスプライヤー
シールテープ
2.5mmの六角レンチ

後に知ったことですが、「バルブカートリッジ」で検索するとセラミックバルブ単体で色々と出てきます。しかも安い!(2,000円弱)。ただし「汎用」のためサイズがぴったり合うかどうか調べる必要があり、レビューには「安いけど全開にしたときの音がうるさい」など辛口なコメントも散見しています。こちらは上級者向けかもしれませんね。

僕の方法も決して「推奨」しているわけではなくあくまでも体験談ですので、判断材料の一つとしてご覧いただければと思います。